2022/11/02 17:11
Kronjydenが同じ時代に製造していたBautaとRelief。
今回は、スタンプからわかるこの2つのつながりについてご紹介します。
こちらのBautaのキャセロール、そしてReliefの大きなグラタン皿
シリーズは異なりますが、今から60年ほど前に同じ時代、同じ会社で製造されていました。
そのため、同じスタンプが使われています。
〖Bautaのキャセロール〗
キャセロールの裏側👇
裏側の刻印
〖Reliefのグラタン皿〗
グラタン皿の裏側👇
裏側の刻印
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1958年 Reliefがつくられ始めた頃、
先程紹介した二つのスタンプと同じ図案の、火にかけられたポット&王冠マークのシールがカップやソーサー、プレート等の裏には貼られていました。
そのため、現在ではシールが剥がれたものが多く、
それがこの時代のReliefの特徴の一つとなっています。
(こんな風に何も印がない状態です)
ただ、今回ご紹介したグラタン皿やキャセロールは
熱を加えるので、シールではなくスタンプが押されていたと思われます。
その結果、今でも消えることなく残り、この2つのシリーズを関係づける根拠となりました。
また、
スタンプに描かれたKronjydenは1937年に設立された陶磁器会社でしたが、
BautaとReliefがつくられた頃には、すでにNissenに買収されていました。
そのため、本来であればNissenの表記があるはずなのですが、なぜかKronjydenの文字が残されています。
今回ご紹介したBautaとReliefのスタンプは、2つのシリーズをつなげるだけでなく、Nissenがどのような思いで、Kronjydenの文字を残したのか、当時の思いを想像させてくれます。
3つの会社に買収され、移り変わっていくQuistgaardシリーズ。
今回ご紹介したBautaとReliefが、そのつながりを探るきっかけを与えてくれたのではないでしょうか。
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今回ご紹介したスタンプについてのお話はいかがでしたでしょうか?
次回は、様々な時代を渡ってきたQuistgaardデザインの中でも、Reliefの刻印についてご紹介いたします♪
最後までお読みいただきありがとうございました🍁
参考
Emilie Rygaard Rasch(2020年)『JENS HARALD QUISTGAARD EN DANSK DESIGNER』