2022/12/03 20:45

 

 

 

Quistgaardデザインの中でも、

1960年代当時から特に人気だったReliefシリーズ


デンマークの家庭でも広く使われていた

このシリーズですが、裏側を見ると

同じReliefなのに、刻印がちがう????

 

 

 

Reliefを集め始めた頃、不思議に思っていました。

 

 

「どれか偽物なんじゃ…。」

 

 

いえいえ、違います。

 

 

当時、現地のショップオーナーさんが教えてくれました。


「全部ちゃんとReliefだけど、作られた年代が違うんだ。

裏側の刻印を見るとおおよその製造年代がわかるよ」と。

 

 

 

 

Reliefは発売時から

特に人気のデザインだったため

廃盤となるのではなく

 

Kronjyden

Nissen

B&G(Bing & Grøndahl)

 

と、買収により3社にわたって製造され続けていたようです。

 

 

ですので、製造年代によって刻印が異なります。

 

 

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Reliefシリーズは当店でも多く扱ってきたシリーズですので、

今までご縁のあったお品の中から、様々な刻印を一覧にまとめました。

 

 

 

 

〖Kronjyden時代〗

 

初めのころはプレートなどには刻印ではなくステッカーが貼られていました。

(一部グラタン皿などには刻印がされてたようです→詳しくは前回のブログ)

 

図案は、こちら。

火にかけられたポットとレンガでできた王冠がモチーフです。

 

 

その後、少しシンプルに

ポットとKとJ二つのマークに変わりました。

 

ちなみに剥がれそうなステッカーをがんばって残しているものも多くあります。

 

 

 

今度はステッカーではなく、K+Jのマークの刻印がされるようになりました。

 

これには、「文字+マーク」が書かれているものもあれば、マークだけのものもありました。

 

 

 

 

〖Nissen時代〗

 

 

Nissenは、ロゴを変更する際にKronjdenのロゴ自体はそのままに、

文字を「NISSEN DENMARK」に変更しました。

 

 

 (ちなみに…

1953年にはKronjydenから

Nissen Denmarkに社名は変更されていましたが、

刻印が変わったのはそれよりずっと後のことのようです。)

 

 

〖Bing & Grøndahl時代〗

 

1972年にNissenは

陶磁器工場のB&G社に売却されました。

 

同じB&G社の頃でも

STONEWAREの文字があるものや無いものがあったり

 

 

さらにはそこにRELIEFの文字があるもの、無いものもありました。

 



1980年代後半まで製造され、廃盤となります。

 

ちなみに、その後B&G社はRoyalCopenhagenへと引き継がれました。

 

 

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Reliefの刻印の移り変わり、いかがでしたでしょうか。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

Reliefの楽しみ方を広げる

お役に立てれば嬉しいです♪



 

 

 

参考

Emilie Rygaard Rasch(2020年)『JENS HARALD QUISTGAARD EN DANSK DESIGNER』